このページでは、中小企業において少数株主がいあることの弊害について整理しています。

上場を目指している会社であれば、ある程度多数の株主が関与していることが一般的ですが、管理人の経験上、そうでない会社においては、少数株主は、整理しておくべきことが多いといえます。

このページでは、中小企業を念頭に、少数株主がいることの弊害、言い換えれば、少数株主整理の必要性について、まとめています。

1 はじめに

 少数株主がいる場合、そのような株主を放置をすることによる主な不都合としては、以下の点が挙げられます。M&Aを行う場合や、事業承継を行う場合、少数株主がいることで、スムーズに進まないことはよくあります。

少数株主の整理は簡単にはできませんので、普段から少しづつ、少数株主を整理しておくべきです。

2 少数株主の相続の発生リスク

当該少数株主に相続が発生すると、想定外の株主が出現する可能性が高くなります。また、相続人が複数の場合、株主が分散してしまいます。少数株主を放置しておくことの最も大きなリスクと言えます。

3 株式譲渡ができなくなるリスク

外部に株式譲渡(M&A)をする際に、少数株主がいると、譲渡に支障をきたします。M&Aで会社の株式を譲渡する場合、少数株主の整理は必須と考えたほうがいいです。

4 少数株主権行使により経営に悪影響がでるリスク

少数株主には、以下のような権利が認められており、少数株主と経営者との関係が悪化した場合に、経営に悪影響が出る可能性があります。

【少数株主権】

議決権割合等(定款で要件を緩和することは可能)権利(条文は会社法
議決権の1%以上(公開会社では6か月前から引き続き保有)株主総会検査役選任請求権(306条
議決権の1%以上又は300個以上の議決権(公開会社では6か月前から引き続き保有)株主総会での議案提案権、議案通知請求権(303条2項、305条
議決権の3%以上(公開会社では6か月前から引き続き保有)株主総会招集請求権(297条
議決権の3%以上(公開会社では6か月前から引き続き保有)役員の解任請求権(854条
議決権又は発行済株式の3%以上業務執行に関する検査役選任請求権(358条
議決権又は発行済株式の3%以上会計帳簿閲覧請求権(433条
議決権又は発行済株式の10%以上会社の解散請求権(833条

株主の権利について、詳しく確認したい場合は、以下のリンク先をご参照下さい。